独白 愉快な“病人”たち

司会・タレント 大木凡人さん(70) 大動脈瘤乖離

大木凡人さん(C)日刊ゲンダイ

 この病気は発症するとそのまま悶絶死したり、救急車に運ばれる途中で亡くなる方も多く、致死率は97%と高いそうです。慶応大学脳外科の今西先生によると、私は体力があったから、自分で助けを呼ぶことができ、処置までの間を持ちこたえられたレアケースなのだそうです。

 意識はしっかりしていたので、入院して2日もすると、今度はベッドで寝たきりが苦痛で苦痛で。1時間分のテレビカードを毎日20枚は使いました。病院食も薄味でマズい。それで10日後に1階の食堂でカレーを食べました。フロアを出ると警報が鳴るらしく、お医者さんに怒られましたよ。

 あまりに早く退院させろって騒ぐものだから、少し前に救急で運ばれてきた患者さんについて、「あの人はどうなりました?」と聞いたとき、看護師さんに「亡くなりましたよ、“大木さんと同じ”病気で!」と釘を刺されました。奇跡的に23日間で退院したときも、「大木さんはラッキーなんですからね!」と念押しされました。

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