どうなる! 日本の医療

IT化が名医をつぶす

(提供写真)

「厚労省も治療ガイドラインを強調しています。そのため、病院はガイドライン通りにやれば訴訟になっても『ガイドラインに沿ってやった』と逃げられます。つまり、IT化、標準化、ガイドラインが、“この病にはこの治療のほうがいいのでは”という本来の医療の医師の熱意、工夫が発揮しにくい状況を生みつつあるのです」(永田氏)

 患者は一人一人、状況が違い、求められる治療内容も違う。IT化は必ずしも患者のためになるとは限らない。

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村吉健

村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。