医者も知らない医学の新常識

エナジードリンクは健康な人の飲み物

北品川クリニックの石原藤樹院長(提供写真)

 皆さんは「エナジードリンク」を飲んだことがありますか? これは強壮剤のように使用されている、日本の栄養ドリンクと似た成分のアメリカ発の飲み物です。最近、日本でも盛んに宣伝されているのでご存じの方もおられるでしょう。元気のない人が、飲んだら体に翼が生えて途端に元気になるようなCMを、ご覧になった方も多いでしょう。

 このエナジードリンクにはカフェインなどの多くの刺激性のある成分が含まれています。日本で売られているのは、清涼飲料水の扱いなので、成分はアメリカのものより制限されています。それでも、カフェインなどが多く含まれていることに違いはありません。

 飲むと少し元気になったような気がするのですが、それで健康に害はないのでしょうか? 今月のアメリカの医学誌に、興味深いデータが掲載されていました。ボランティアの若者にエナジードリンクを飲ませて血液検査を行ったところ、交感神経を刺激するホルモンである「ノルエピネフリン」が平均で70%以上も増加していたというのです。同時に、軽度ですが血圧の上昇も認められました。

 こうした作用は元気な若者であれば問題はない性質のものですが、心臓に病気のある人やお年寄りでは、交感神経の刺激作用が思わぬ病気の引き金になる可能性も否定は出来ません。エナジードリンクや栄養ドリンクも、無害ではないということに注意が必要ですね。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。