真似したい伝承療法

新潟県の雪下人参ジュース

雪下人参ジュース(C)日刊ゲンダイ

 全国的に豪雪地帯として知られる新潟県十日町。厳しい環境だが、雪の恩恵もある。それが「雪下人参ジュース」だ。

 雪下人参とは、秋に収穫できる人参を、あえて雪の下で越冬させて春に収穫したもの。これを搾汁した雪下人参ジュースは、十日町や同じ多雪地帯の津南町の名産品となっている。都内のアンテナショップで購入し、大ファンとなった会社員の中村伸一さんはこう話す。

「ドロッとしていて、濃厚な味わいが気に入りました。自然な甘味があり、栄養がぎゅっと凝縮されている感じですね。普通の人参を搾っても、この味は出ないと思います」

 なぜ、これほどおいしくなるのか。それは、雪の下で越冬させることにより、うま味や甘味成分のアスパラギン酸やグリシン、セリンなどのアミノ酸の含有量が大幅に増加するからだという。

 栄養価の面では、特筆すべきはβ-カロテンだ。生活習慣病の元凶といわれる活性酸素の生成を抑制してくれる。β-カロテンの一部はビタミンAとなり、目や皮膚、粘膜などの健康維持に役立つ。β-カロテン同様、強い抗酸化力を持つリコペンやアントシアニンを含んでいることも心強い。また、日本人に不足しがちなカルシウムやビタミンCも含んでいる。

 健康を保つうえで、毎日でも取りたい雪下人参だが、収穫期が短いため、市販のジュースを利用するのがおすすめだ。

 人も野菜も厳しい環境が中身を豊かにする。

宮岸洋明

1965年、石川県生まれ。出版社勤務後、95年、健康ライターとして独立。以来20年、健康雑誌などで取材・執筆活動を開始。本連載では、世界的な長寿国である日本の伝承料理がテーマ。「健康長寿の秘訣は“食”にあり」をキーワードに、古くから伝えられてきた料理や食材を実食し、その栄養価、食味や調理法を紹介。筆者自身も、約1年前から数々の伝承料理を食べ約20キロのダイエットに成功。メタボを脱出し、健康診断もオールA。