しかし、国立がん研究センターが公開している「がん標準化罹患率」(男子・全部位)を見ると、卵消費の多い県は、いずれも標準化罹患率が全国平均を上回っています。逆に卵消費が少ない県の標準化罹患率は低めです。これはどういうことでしょう。
もちろん、卵に発がん性があるわけではありません。特徴的なのは卵を多く食べている県は、生鮮肉の消費も多めの傾向があることです。
〈表〉には、卵の消費量の多い県、少ない県と、生鮮肉の消費量の全国順位を載せました。卵2位の奈良は肉5位、卵3位の愛媛は肉8位、卵4位の和歌山は肉2位、といった具合。逆に卵の消費が少ない県は、肉の消費も低調です。「赤身肉は大腸がんのリスクを上げる」ともいわれていますし、卵も肉もとなると、やはり栄養的に偏ってしまう可能性があります。
卵が肉を呼ぶのか、肉が卵を引き寄せるのかまでは分かりません。ただ、すき焼きに生卵の組み合わせは、全国的に定番でしょう。ひよこが生まれるほどですから、卵の栄養バランスは完璧なはず。肉との相乗効果で、体に悪い影響が出ているのかもしれません。
家計簿を見れば病気がわかる