全身性動脈硬化性疾患の早期診断のためには、足関節上腕血圧比(ABI)検査、末梢動脈や頚動脈超音波検査、MRI(MRA)、造影CT検査などの機能診断と画像診断が重要ですが、確定診断は冠動脈などの血管造影検査で行います。
全身性動脈硬化性疾患の早期診断は全身の動脈硬化性疾患を確認するだけでなく、将来の虚血イベント発症の最も有力な予測因子です。例えば、PADで5年後の心血重症虚血肢まで悪化するのはわずか5~10%、切断にまで至るのは2~3%にすぎません。しかし、その後の経過をみてみると、5年間で30%近くも死亡しています。これは心血管イベントのためです。
動脈硬化性疾患患者のその後の経過を改善するためには、動脈や末梢動脈などの局所のカテーテル治療などに加え、他の血管疾患の早期診断治療も必要です。さらに全身の動脈硬化症の管理が重要になってきます。
しなやかな血管が命を守る