耳鼻科の病気

「炭酸ガス」「半導体」レーザーの使い分け

 前回に続いて、花粉症の日帰り手術である鼻の「下甲介粘膜に対するレーザー治療(焼灼術)」の話です。

 今回は焼灼を表現する例えに「ステーキ」を使います。

 ステーキの焼き方には、よく焼いた方から「ウエルダン」(中まで火が通っている)、「ミディアム」(ウエルダンとレアの中間)、「レア」(生焼け)があります。

 レーザーによる焼灼にも、同じような表現が使われます。「炭酸ガスレーザー」による焼灼を「ウエルダン」、「半導体レーザー」による焼灼を「ミディアムレア(ミディアムとレアの中間)」と表現するのです。

 広く普及している炭酸ガスレーザーは、別名「光破壊型のレーザー」といわれ、粘膜を炭化させるほど強力に焼灼します。手術中の患者さんがよく「肉の焦げたような臭いがする」と言うのはそのせいでしょう。この手術法は耳鼻咽喉科の医師からとても信頼されています。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。