どうなる! 日本の医療

数年後には民間病院がバタバタと倒産する?

 厚労省は今年10月、2014年度の国民医療費が初めて40兆円を突破したと発表して、医療費増大の危機感をあらわにした。そんなさなか、2年ごとの診療報酬改定時期が来年3月に迫り、日本医師会を中心とした「報酬アップ派」と健保組合を中心にした「アップ反対派」の攻防が激しくなっている。増大する日本の医療費は削減すべきなのか。外科医でNPO法人「医療制度研究会」副理事長の本田宏氏が言う。

「国は40兆円、40兆円、こりゃ大変と一部マスコミを利用し危機感をあおっています。その目的は18年度までの3年間で社会保障費の増加を1.5兆円程度に抑制したいからです。この数字は従来の医療費に高齢者の自然増分のみをプラスしただけ。つまり国は、財源不足を理由にマイナス改定する腹積もりなのです」

 本当に、これは大いなるまやかしだ。本田医師が怒りを込めて説明する。

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村吉健

村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。