介護の現場

入居者2人を24時間体制 いつ事故が起こるか内心ヒヤヒヤ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 こうした日常の職務を黙々とこなす介護男女職員の平均年齢は、まだ育ち盛りの子どもがいる40代。それでいて支払える給料は20万円前後に過ぎない。

「正直、給料をもっと上げてあげたいと思っていますが、経営上、無理なんです」(Aさん)

 厚労省の統計によると、福祉施設の介護職員の全国平均月給は21万9700円(2014年)。22、23歳で一流企業に入社した大卒の初任給程度だろうか。全産業の平均月給、32万9600円に比べても11万円も低い。

 それでもこの4月から、介護職員の賃金が1万2000円引き上げられた。施設の改善などを条件に、国が支払う介護職員の人件費は784億円(1.65%)増えたことになるが、配分は法人の事業主に任せられており、職員一律1万2000円の値上げというわけにはいかない。どうしても介護福祉士など有資格者が重要視され、一般介護との間にバラツキが生じてしまうという。

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