介護の現場

入居者2人を24時間体制 いつ事故が起こるか内心ヒヤヒヤ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 介護事業主に入る大ざっぱな金の流れを見ると、利用者(入居者)から介護保険料が国または地方自治体に入り、事業主にその9割が給付される。

 ほかに、利用者は事業主に直接、原則1割(一定の所得以上は2割)負担だ。

 一般の健康保険システムと似ているが、厚労省の資料によると現在、要介護者は約600万人。それに対して、介護職員はおよそ半数の300万人である。施設入居者の要介護者1人あたり24時間介護職員は3人が必要とされている。だが現状は、職員不足が常態化しており平均2人だ。もうギリギリの職員数である。

「介護職員に十分な休息を取ってもらうためには、私の各施設でもあと2、3人の職員が必要です。しかし、それは無理。この人手不足の負担は、ほかの職員が背負ってしまいます。毎年、高卒の職員を2、3人募集していますが、1年ともちません。給料が安い割には仕事がきついのでしょうね」

 いつか事故が起こるのではないか、Aさんは内心ヒヤヒヤしているという。

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