役に立つオモシロ医学論文

「緑茶うがい」でインフルエンザは予防できる?

(C)日刊ゲンダイ

 研究期間中、インフルエンザ発症は、緑茶でうがいをしていたグループで4・9%、水でうがいをしていたグループで6.9%と、緑茶でうがいをしていたグループで31%低い傾向にありました。しかしながら、統計的に明確な差はありませんでした。

 この研究では対象となった高校生が緑茶か水か、自分がどちらのグループに割り当てられたのか知っており、緑茶うがいをしていたグループはより予防意識が高まった可能性を考慮すると、実際にはほとんど差がない可能性もあります。

 そもそも「インフルエンザの予防にうがいが有効な手段なのか」という議論もありますが、風邪予防の観点も含めれば、現時点では水でのうがいが費用対効果に優れるといえそうです。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。