薬に頼らないこころの健康法Q&A

不登校の“息子”にどう接するか?

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(提供写真)

【Q】
 中学3年男子の母親です。クラス替えがあってからなじめず、5月の連休明けから休みがちになりました。しばらく学校の相談室に通っていましたが、カウンセラーの先生と話しても効果がなく、完全に不登校になりました。今は、昼前に起きて、市の適応指導教室に通っています。先生方からは、「プレッシャーをかけるな」と言われていますが、このままでいいのか心配です。

【A】
 本人を自殺に追い込むようなプレッシャーはいけませんが、適度のプレッシャーは必要です。まず、本人に伝えるべきは、「学校に行くか行かないかは、生死を懸けるような大問題ではない」ということ。中学校に行かなくても死ぬようなことは絶対にありません。そのことを伝えたうえで、本人の背中を押してみましょう。

 ご子息は教室になじめなくて不登校になったとのこと。この点は重要で、「なじめないのに無理して教室にいる」「違和感を感じながら学校の片隅で過ごす」という経験を持つことが思春期には大切なことです。

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井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。