薬に頼らないこころの健康法Q&A

不登校の“息子”にどう接するか?

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(提供写真)

 ご子息にとって最悪なのは、引きこもってしまうことです。10代に家族以外の誰とも接しない数年間を持つことは、成長にとってマイナスになります。この世代は、他者に対して少しの警戒感を持って付き合うという経験を持つべきです。その経験こそ、大人になってからの精神的な財産になります。最低でも、適応指導教室とは細く長くつながっておくことが必要でしょう。

4 / 4 ページ

井原裕

井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。