サラリーマンのパワーup 食で不調を撃退する

健診で「A」なのに、大腸がん

「会社の人間ドックではA評価で、体調も良好。しかし念のため、一度データを見てほしい」

 第一線で活躍するビジネスマンから相談がありました。見ると、放ってはおけないサインがありました。この3年、ヘモグロビンの数値が14g/dl→13→12と下がっているのです。

 男性は生理がないので、健常者でこの変化はおかしい。そこで、胃か大腸に出血があるかも知れないと仮説を立て、大腸カメラの専門医を紹介したところ、初期の大腸がんが発覚。すぐに手術になりました。

 その後の私の役目は、栄養面でのフォローです。大事なのは、細胞の酸化から守る抗酸化物質を毎食取ること、腸内細菌のバランスを整えることです。

 抗酸化物質は緑黄色野菜で。また最近は、主に中南米で栽培されている果実の種「チアシード」が、抗酸化成分を豊富に含み人気です。「手軽に取れるので、忙しい時に活用してはどう?」とお勧めしました。

 たとえば、朝食にチアシードをトッピングしたヨーグルトとブロッコリーやトマトのサラダ、タンパク質源として目玉焼きを。夜は、がん抑制成分が多いと発表されたキャベツと、抗酸化成分であるアスタキサンチンたっぷりの鮭を合わせ、酒粕と味噌で味付けした鍋など。避けてほしいものは、時間がたった揚げ物や植物油を使ったスナックです。

 また、そのビジネスマンから「大腸がん予防にアスピリンを使用するといいと聞きました」と質問されました。しかし、アスピリンは胃粘膜を弱める副作用があるので、「それよりも、日々の食を見直すこと。正しい食事と定期的な体の検査のメンテナンスは、活躍するためのビジネスマンの戦略です」とアドバイスしました。

佐藤智春

佐藤智春

スタイリストとして活躍していた32歳の時、働き過ぎで体調を崩しダウン。「分子整合栄養医学」に出会い、人体と栄養の関係を学び、実践を重ねながら健康を取し、血液栄養診断士の資格を取得。現在はクライアントの血液データから栄養を厳密に把握し、食と医療、ライフスタイルを具体的に提案。著書に「卵を食べれば全部よくなる」「男は食事で出世させなさい」「身長を伸ばす7つの法則」など。