家計簿を見れば病気がわかる

独身者はお菓子と惣菜を好み、早死にする

(C)日刊ゲンダイ

 昨日までに見てきた分も加えて総括すると、独身者は男女を問わず、外食、パン、カップ麺、弁当、おにぎり、揚げ物系の総菜、洋菓子・スナックなどの菓子類を好む傾向が強いといえます。しかし、さすがに健康が気になるのか、生鮮野菜や野菜サラダ、野菜ジュースなどは、むしろ家族持ち世帯よりも積極的に購入しています。とはいえ、酒・たばこも多いため、せっかくの野菜効果も半減といったところでしょう。

 このような生活を続けているため、血液ドロドロ状態に陥っている人も少なくないはずです。心疾患や脳血管疾患の死亡率が高いのは、そうした生活習慣が背景にあるからだと思われます。

 たとえば50代男性の死亡数は、妻帯者の1877人に対し、独身者では3007人(人口動態調査・2014年)。50代の独身率は24%ですから、仮に死亡率に差がないとすると、独身者の死亡数は593人にとどまったはずです。ところが実際には、その5.1倍もの人数が亡くなっているのです。

 同様に脳卒中(脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血)の死亡数(50代男性)は、妻帯者が1049人、独身者が1563人。計算すると、独身者は妻帯者よりも4・7倍、脳卒中で亡くなりやすいことが分かります。

2 / 2 ページ

永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。