「ビタミンDの摂取でインフルエンザが予防できる」というような記事を見かけます。それを検討した論文を紹介しましょう。この論文は2010年の5月に「米国臨床栄養学会誌」に掲載されたものです。
08年12月から09年3月までの研究期間中に、日本人の小中学生430人(平均約10歳)が対象となりました。
「ビタミンサプリメント(1日1200IU)を服用するグループ」(217人)と、サプリメントと見かけは同じですが「薬効成分が含まれていないプラセボ(偽薬)を服用するグループ」(213人)の2つにランダムに振り分け、A型インフルエンザ発症を比較検討しました。
その結果、A型インフルエンザを発症したのは、ビタミンDサプリメントを服用したグループで10.8%、プラセボを服用したグループで18.6%。プラセボに比べ、ビタミンDサプリメントを服用していると42%インフルエンザ発症が少ないことが示されました。
役に立つオモシロ医学論文