アスピリンといえば、鎮痛剤の“代名詞”のような存在ですが、この試験のアスピリンはちょっと違います。鎮痛剤として使われる容量は、大人で1日1000~4500ミリグラム。これよりも少ない1日40~100ミリグラムを服用すると、血栓を作る血小板の働きを抑えることが分かり、脳梗塞や狭心症の予防薬として使われています。臨床試験の容量も、抗血小板薬としての容量と同じです。
古くからある薬で、薬価も安い。それで、本当に大腸がんを予防できるなら画期的。注目したい試験です。
ただし、今回の試験で使われているのは、あくまでも抗血小板薬と同じ容量で、アスピリンが含まれる市販の鎮痛薬とは違いますから、くれぐれも市販薬をやみくもに飲み過ぎないでください。飲み過ぎると、アスピリン潰瘍といって、胃の粘膜がただれ、潰瘍ができることがあります。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁