薬に頼らないこころの健康法Q&A

不登校の“娘”にどう接するか?

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(C)日刊ゲンダイ

 それから、夕方は少し運動するといいでしょう。夕方の時間帯なら中学生が散歩したり、ランニングしたりしても不自然ではありません。体力低下を最小限にとどめるためにも、毎日、体を動かすことにしましょう。

 これらは、いざ再登校しようというときの準備になります。準備不足だと、せっかく再登校しても勉強の遅れにショックを受け、あるいは身体的に疲れてしまって、また不登校になってしまうことでしょう。

 学校の先生とは、勉強の進捗を聞くという理由をつけて、定期的に連絡を取り合うことです。そして、学期の初めとか、行事の際とか、学年末のクラス替えなどのタイミングで再登校を試みるのです。

 娘さんの場合、不登校の理由を探るよりも、娘さんが再登校を決心したときに、すぐに学校になじむための準備こそが大切なのです。

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井原裕

井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。