怖い薬の飲み合わせ

<第3回>糖尿病の人はうかつに風邪薬を飲むな

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 反対に、血糖値をアップさせてしまう風邪薬の成分もあります。たとえば、せき止めの成分である「メチルエフェドリン」には血糖値を上昇させる作用があるので、糖代謝に異常をもたらします。

 このメチルエフェドリンは、漢方薬でせき止めの成分として使われている「麻黄」という生薬にも含有されています。麻黄は葛根湯をはじめとした、さまざまな漢方薬に含まれているので、糖尿病の患者さんは気を付けてください。

 通常なら手軽に飲んでしまいがちな薬でも、糖尿病の患者さんにとっては危ない飲み合わせになるケースは少なくありません。だからこそ、自己判断ではなく、薬剤師などの専門家を活用する必要があるのです。

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深井良祐

深井良祐

86年岡山県生まれ。岡山大学薬学部大学院在学時に薬学系サイト「役に立つ薬の情報~専門薬学」(http://kusuri-jouhou.com/)を開設。医薬品卸売企業の管理薬剤師を経て独立し、現在は医療系コンサルタントとしても活動。株式会社ファレッジ代表取締役。