病院は本日も大騒ぎ

担当医師や看護師を「通夜」や「葬儀」に招いていいのか?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 こんにちは、首都圏の総合病院で看護師長を務めている看護師歴十数年のサトミです。

 今回は患者さんと医師の関係について話しましょう。病室で亡くなられた患者さんのご家族から、まれに「お世話になった担当医の先生をお通夜か告別式にお招きしたいのです。こんなお願いをしてよろしいのでしょうか?」と、尋ねられることがあります。治療でお世話になった先生にも最期を見送ってほしいというご遺族の気持ちは理解できます。

 しかし、原則的に医師が亡くなられた患者さんのお通夜や告別式に出席することはまずありません。

 勤務時間中の医師は、とくに救急治療の患者さんを担当しているときなど、食事をしている時間さえもないのです。

 そのため、平日の葬儀であっても、患者さんたちの治療を放置してまで病院から抜け出すことはできません。決して「冷たい」わけではありません。

 その代わり患者さんが亡くなったとき、たとえ真夜中であっても、担当医師や看護師は病室から玄関前で待機する遺体搬送の車まで付き添います。このとき、「手を尽くしましたが残念です」とご遺族に短いいたわりの言葉をかけながら、ご遺体に両手を合わせ、お別れの挨拶をします。

 とはいえ、例外もあります。亡くなった患者さんがたまたま医師と親しい間柄だったとか、付き合いが古い友人のような関係の場合ですね。

 これは「病院」と「患者」というより、個人的な付き合いでしょう。葬儀場に弔電を打ち、あるいは花を送り、もし医師が休日に当たるときは参列をしているようです。

 ちなみに私も、長期間入院していた患者さんが亡くなった場合、そのご家族と親しくなるケースがあります。

 勤務時間を削ることはしませんが、お香典を持って何度か出席した経験があります。