有名病院 この診療科のイチ押し治療

【気胸】日産厚生会玉川病院・気胸研究センター(東京・世田谷)

栗原正利センター長(C)日刊ゲンダイ

■18種類の治療手段

 同センターでは、肺の基礎疾患の種類や状態に応じて治療法を使い分けている。一般的な3種類の治療法を含め、18種類の治療手段がある。中でも特徴的なのは10年ほど前に開発し、普及させてきた「カバリング術」だ。

「たとえば肺のスポンジ状の組織がスカスカになる肺気腫のような病気では、穴のあいた1カ所だけをふさいでも他にも弱い部分があるので再発してしまいます。それを肺の表面に吸収メッシュを広範囲に張って広く補強することで、気胸を起こしにくくさせるのです」

 また、女性の気胸は男性に比べて発症頻度は少ないが、裏に特殊な病気が隠れていることがあるので注意が必要になる。再発率70%といわれ、女性の月経時に関係して起こる月経随伴性気胸などの難治性の気胸に対応できるのも、同センターの大きな特色だ。

「国内の気胸の手術は年間1万2000件以上行われていて、再発率は平均20%くらいあると思われます。当センターの手術治療の再発率は3%に抑えられています」

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