健康保険の自己負担は、かかった医療費の3割です。ところが70歳になると、これが2割に減ります。さらに75歳以上になると、全員が後期高齢者医療制度に移され、1割負担になるのです。また多くの自治体で、高齢者のインフルエンザワクチンを無償化しています。そのため、70歳以上の家庭では、病院や歯医者に払う金額も、その他のサービスも、60代よりも少ない出費で済むのです。
また、医科診療代は、ピークの60代世帯でも、年間5万3000円ほどだということも注目しなければなりません。多くのサラリーマンが老後の医療費を心配して、民間の医療保険やがん保険に加入しています。それらの保険料は、夫婦で加入すると毎月軽く5000円以上かかります。ところが、実際に払う医療費は60代世帯で4400円/月、70代世帯で4000円/月にしかならないのです。
あくまでも平均の話なので、自分のいままでの生活習慣や家系的な要素を加味して、判断する必要があります。しかし平均値でみる限り、60代さえ乗り越えればあとは何とかなりそうです。ですから、民間の医療保険に入るよりも、その分を貯金したほうが得かもしれません。
家計簿を見れば病気がわかる