Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【飲酒の影響】“百薬の長”の目安は1週間で日本酒14合

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「オレは休肝日を設けているから大丈夫」という人がいるでしょうが、がんと飲酒の関係を見る上で問題なのは、1週間のアルコールの総摂取量です。“百薬の長”となる目安は、日本酒換算で1週間14合。それでも1週間で1升以上飲めると分かれば、うまく休肝日を設けながら、楽しい飲酒ライフを描けるのではないでしょうか。

 休肝日はないよりある方がベターですが、1週間の摂取量が日本酒換算で21合を超えると、休肝日はあってもなくても関係なし。2升を超えてはいけないのです。

 日本人はじめアジア人は、アルコールを分解する過程でできるアセトアルデヒドを解毒する酵素の働きが強い人と弱い人がいます。解毒を担うのがアセトアルデヒド脱水素酵素2で、人によって両親から受け継ぐ型が違うのです。

 両親から分解力の強い遺伝子を受け継いだ人が正常型で、弱い遺伝子を受け継いだ人が欠損型。欠損型には、どちらか一方が欠損型の部分欠損型と、どちらも欠損型の完全欠損型があります。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。