前回、「カルシウムパラドックス」と動脈硬化のリスクについて触れましたが、そもそも、カルシウムパラドックスとはどういうことかを説明します。
本来、私たちの体には、体重の2%のカルシウムが存在するといわれています。そのうちの99%が骨や歯に、1%はイオンとなって血液中と細胞に、1万対1の比率で存在します。
毎日のカルシウム摂取が不足すると、血中のカルシウム濃度を保つために、体は骨からカルシウムを溶かします。すると、細胞内にカルシウムが入りこみ、石灰化が起こるのです。あってはいけないところにカルシウムが存在するこの現象は「カルシウムパラドックス(逆説)」という言葉が使われ、1966年にネイチャー誌で発表されました。「逆説」といっているのは、「カルシウム不足で生じる体内の石灰化」を、かつては「カルシウムの取り過ぎ」と逆に捉えていたためです。
サラリーマンのパワーup 食で不調を撃退する