家計簿を見れば病気がわかる

独身者の保健医療費は既婚者の3~5割増し

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 さらに「医科診療代」、つまり医者にかかった費用を比べてみると、格差がもっと大きいことが分かります。既婚者は家族1人当たり40代で5800円、50代で8300円、60代でも1万800円ほどにとどまっていますが、独身男性は、35~59歳で1万7000円、60歳以上で2万4000円近くも使っています。既婚者の2倍以上です。女性でも似たような結果です。

■独身男性は人間ドック好き

 また興味深いのが、「その他の保健医療サービス」への出費。2人以上世帯では、インフルエンザの予防接種などが中心ですが、単身世帯では、主に自腹で行く人間ドックなどの料金です。

 その金額が、とくに働き盛りの男性独身者が突出しているのです。「自分がいつ病気になるかもしれない」という不安を抱えながら、日々を送っている人が大勢いるのでしょう。

 人間ドックもいいですが、やはり健康の基本は食事を含む生活習慣。そちらを改めないと、不安を払拭するのは難しいかもしれません。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。