しかし、「現時点で一般的に確立された方法はありません」と突っぱねられてしまったときは、左心耳縮縫術を実施している病院を探さなければなりません。病院のホームページなどをチェックして、左心耳縮縫術をPRしている施設に相談してみてください。
11月に開催された米国心臓協会学術集会では、われわれがこれまで蓄積してきた左心耳縮縫術の有効性に関するデータを発表しましたが、これからさらに多くの検証を重ねていかなければなりません。
全国的に一般化するまでにはもう少し時間がかかるでしょう。
■日本でも浸透する可能性が高い
ただ、比較的早い段階で浸透していくことも考えられます。欧米では、心原性脳梗塞を予防するため、左心耳に対する新たな治療が行われているからです。
われわれは袋状になっている左心耳を糸で縫う方法を行っていますが、欧米では、カテーテルを使って血管の中に器具を留置して左心耳を遮断する方法や、安全な“クリップ”を使い、左心耳を挟んで閉鎖する方法が登場しています。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」