朝食を「パンとコーヒー」にしてから体調が優れないワケ

疲れると甘いモノが食べたくなる…
疲れると甘いモノが食べたくなる…(C)日刊ゲンダイ

 Rさん(40)は半年前に念願の一軒家を購入。これまでの通勤時間は30分ほどでしたが、1時間を超えるようになりました。

 都内の会社に勤務している人には「1時間超」はそれほど長い通勤時間ではなくても、Rさんいわく「超満員電車の上に事故などで遅れることも多く、それを見越して早く家を出なくてはならない。通勤だけでドッと疲れる」とのこと。入社して20年近く、比較的すいている電車で通勤していたので、「家」のためとはいえお気の毒です。

 そんなRさん、自宅で朝食を取る時間がなくなり、会社でパンやコーヒーを口にするようになりました。帰宅時間も遅くなるので、やはり夕方に軽くパンやコーヒー。Rさんは「そのせいか、最近胃の調子がよくない。パンは脂っこいものを選んでいるわけではないのに」といいます。

 昼食や自宅での夕食は、割とバランスが取れています。念のため、朝夕のパンとコーヒーについて詳しく聞くと、Rさんが選んでいたのはアンパンやクリームパンなどの甘いパンと砂糖入りの缶コーヒーでした。「疲労解消」がその理由です。

 疲れると、東洋医学でいう「脾」が弱って甘いものが欲しくなる。しかし取り過ぎると、一転して「脾を破る」といわれるように、「脾」が傷つく。Rさんがまさにそうです。

 甘いパンと砂糖入り缶コーヒーを、おにぎりとお茶や、ゆで卵とコーヒーなどに変えてもらうと、次第に胃の調子はよくなっていきました。大事なのは、バランスなのです。

久保田佳代

久保田佳代

父は乳児院院長、母は薬剤師、長女は歯科医、次女は眼科専門医という医療一家に産まれたが、昨今の臓器医療である西洋医学とは違い、人に向き合い、カラダとココロの両面から治療が行える漢方を志し20余年経つ。昭和薬科大学卒業、老舗漢方薬局を経て、「氣生薬局」開局。サプリメントアドバイザー、漢方茶マイスター、日本プロカウンセリング協会1級など多数資格取得。「不妊症改善における実力薬局100選」に選ばれている。