どうなる! 日本の医療

高額療養費制度の限度額が最大5倍に引き上げられる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■外来なら現行の2倍~5倍の負担も

 具体的に高額療養費制度が改悪されるとどうなるのか。仮に70歳のAさんの入院医療費が1カ月100万円かかったとしよう。現行では①Aさんの年収が370万円以上なら、その自己負担限度額は8万7000円。②Aさんの年収が370万円以下なら、約4万4000円となる。③Aさんが住民税非課税になるほど低所得だと2万5000円。④年金収入80万円以下なら1万5000円の負担だ。

 これを財務省の提案に沿って試算すると、入院の場合、現行の1.3~3倍、外来の場合は現行の2~5倍になるという。

 すなわち、①のケースは現行の8万7000円から最大25万4000円(ただし所得水準に応じて)。②は現行より1万4000円以上高い5万8000円以上。③の住民税非課税の人は2万5000円から3万5000円へ。④のケースは現行の1万5000円が3万5000円にアップするという。

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村吉健

村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。