薬に頼らないこころの健康法Q&A

引きこもりのわが子にどう接するべきか?

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(提供写真)

【Q】
 16歳男子の父親です。中学生のころから内向的で、友人も少ないタイプでした。私立の進学校に入学しましたが、友人といさかいがあって不登校となり、1年の秋に退学。単位制高校に籍を置いたものの、なじめなくなって退学し、現在は終日、6畳の自室にこもっています。

 本人は、「親の価値観を押し付けるな」「一番つらいのは俺だ」などと言っています。親としては自分たちの価値観を息子に押し付けるつもりもないし、一番つらいのが息子自身だということもよくわかっています。でも、どうしたらいいのかわかりません。どう息子に寄り添っていけばいいのでしょうか。

【A】
 お父さまは、もう十分、息子さんの心をわかってあげているし、今の接し方が間違っているわけでもないと思います。

 私どもの科は県内の医療機関としては最も多くの「不登校」「ひきこもり」を診ています。ひきこもりの若者たちを前にして、私どもは「わかってあげよう」とか「寄り添ってあげよう」といったことは、そんなに考えていません。むしろ、「そんなに家の中にこもっていては、退屈じゃないのか」「運動不足は体によくない」といった、ひどく当たり前のことから語りかけます。

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井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。