薬に頼らないこころの健康法Q&A

引きこもりのわが子にどう接するべきか?

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(提供写真)

 とにかく、息子さんの関心を自室の6畳の空間から外へ向けさせることです。知的な刺激を与えること、そして、そのための活動が結果として適度に肉体を疲労させ、体に好影響を与えるものがいいのです。

■偶然が人生を変えることも

 そのうち、ふとした出来事をきっかけに、本人はガラリと変わります。たとえば、美術館で偶然出会った美大生の女性の美しさにひかれ、それがきっかけとなって、突然、勉強を再開するなどです。

 若者は、小さなきっかけで別人のようになります。そんな偶然が発生しやすい条件を整えてあげればいいのです。

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井原裕

井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。