サラリーマンのパワーup 食で不調を撃退する

年を取って“身長が縮んだ”はカルシウム不足のサイン

 カルシウムが不足すると、さまざまな病気のリスクを高めるばかりか、身長にも関係してくるのをご存じですか? 「年を取って身長が縮んだ」といった話をよく耳にしますが、それはもしかしたら、骨の材料であるカルシウムとタンパク質が不足しているサインかもしれません。

 特にカルシウムの不足は深刻です。働く世代の男性なら、1日の推奨量は平均800ミリグラム。ところが、日本人が摂取している量は推奨量を下回り、成人男性が平均520ミリグラムです(平成25年国民健康・栄養調査報告から)。これは一般の方の平均なので、ストレスや食行動、消化管の健康状態で、ずいぶん違ってくるでしょう。

 実際、相談者はビジネスマンが多く、血液検査と共に尿中カルシウム排せつ量を調べていることから分かるのですが、「ランチは時間がないので丼や麺類といった簡単なもの、夜はアルコール」といった生活を送っている人は、カルシウム不足が深刻な場合が珍しくありません。

 口から取るカルシウム量が減れば、尿中カルシウムの量は増えていきます。「カルシウムパラドックス」の理論通り、不足すると骨からカルシウムが溶け出し、結果、尿中にカルシウムが排せつされるからです。

 検査で尿中カルシウム排せつ量が多い人には、おでんのがんもや厚揚げ、卵、いわしのつみれや、おつまみにチーズ、シシャモ、たたみいわし。ランチにクラムチャウダーなど、“カルシウムリッチ”な食事を選ぶようにアドバイスしています。

 取り過ぎを心配されることがありますが、カルシウムは1日2500ミリグラムまでは許容範囲なので、取りすぎになることはほぼないでしょう。むしろ不足を心配してください。

佐藤智春

佐藤智春

スタイリストとして活躍していた32歳の時、働き過ぎで体調を崩しダウン。「分子整合栄養医学」に出会い、人体と栄養の関係を学び、実践を重ねながら健康を取し、血液栄養診断士の資格を取得。現在はクライアントの血液データから栄養を厳密に把握し、食と医療、ライフスタイルを具体的に提案。著書に「卵を食べれば全部よくなる」「男は食事で出世させなさい」「身長を伸ばす7つの法則」など。