農産業の活性化を目指し、近年、富山県が力を注いでいるもののひとつが、エゴマだ。今はエゴマの生産農家も増え、伝統食材として育ちつつある。
エゴマとはシソ科の一年草で、その種子を搾ったエゴマ油は体によい油として広く知られるようになってきた。
もちろん、油として摂取するのもいいが、富山では“煎りエゴマ”もひそかに人気だ。富山県の物産展で煎りエゴマを購入した都内の会社員、池田雅史さんはこう話す。
「エゴマ油は少し臭みがあり、正直、苦手でした。でも、煎りエゴマはそれが気にならず、噛めば噛むほど香ばしさを感じ、サラダや野菜炒めなどにかけてよく食べるようになりました」
エゴマの健康効果は、オメガ3系列の油であるα-リノレン酸に尽きる。これは体内で作ることができない多価不飽和脂肪酸の一種だ。
α-リノレン酸は体内に入ると代謝されてEPAやDHAとなり、脳の機能を活性化したり、血中の中性脂肪を減らしたりする作用がある。そのため、エゴマ油は最近、脚光を浴びている。
真似したい伝承療法