「動脈硬化のリスクを調べるならほかの検査もあるだろう」と思うかもしれない。MRIやCTなどの画像検査、心・頚動脈エコーなどの伝播脳波検査がある。
「しかし、これらで異常が見つかるのは、動脈硬化がかなり進行してからで、治療の介入としてはベストの時期ではありません」
■他の検査では測定不能
血液検査などの一般生化学検査もあるが、LDLは測定できても、酸化変性LDLとLOX-1はわからない。LDLそのままでは血管内皮細胞の炎症を引き起こさないので、ロックス・インデックスなら、さらに一歩踏み込んだ検査ができるというわけだ。
動脈硬化をごく早期から治療すべきなのは、脳卒中や心筋梗塞といった脳血管疾患の回避が目的。脳卒中の年間患者数は130万人で、そのうちの3人に2人は死亡か重度の後遺症を抱える。また、働き盛りの突然死の死因の7割は心筋梗塞で、心筋梗塞の死亡者の25%は1回目の発症で突然死するといわれている。