孤独と経済不安でブルーに 「ホリデーうつ」米国流解消法

 アメリカでは「ホリデー・ブルース」や「ホリデーうつ」という言い方をよくします。感謝祭からクリスマス、年明けまでのいわゆる1カ月間の「ホリデーシーズン」に気分が落ち込む人が増えるため、こう呼ばれているのです。統計的なデータはありませんが、ある程度の人が同じような気分を味わっているというのは間違いないようです。

「パーティーに私だけ呼ばれていない」という嫉妬と落胆。「離婚してひとりぼっち」「飛行機代がなくて里帰りできない」などの孤独感。さらに、家族や親戚全員にクリスマスプレゼントを購入する習慣があるアメリカでは、「クレジットカードによる大きな借金」という経済的な不安も大きな要素になっています。冬の寒さも、こうしたネガティブな気分に拍車をかけています。

 では、こうしたホリデーうつに立ち向かうにはどうすればいいのでしょうか? 専門家によれば、まず落ち込んでいる自分を「そういう気分になるのは当然」と認めること。次に過大な期待を持ちすぎないのが効果的だといいます。ホリデーだからといってパーティーに行く義務もないし、普通に過ごして問題なし。人に会いたい場合は、パーティーよりは親しい少数の友人と会う方がベターとのことです。

■お薦めはフェイスブックをやめること

 また、自分のためではなく人のためになること、たとえばボランティアなどをやる。さらに「フェイスブックをやめる」こともすすめています。フェイスブックにはパーティーで盛り上がる写真など、他人が楽しんでいる様子が満載。それを見ると余計落ち込んでしまうので、少しでも嫌な気持ちになったらアプリを閉じるのです。

 ちなみに、ホリデーが終われば落ち込んだ気分もどこかに行ってしまうのが普通ですが、それでも落ち込みが続くときは専門家に相談して欲しいと呼びかけています。みなさんはどうですか?

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

関連記事