当事者たちが明かす「医療のウラ側」

出産回数が多いほど白内障になりやすい

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 中高年が話題にしやすい病気のひとつに白内障があります。レンズの働きをする水晶体が加齢などによって白濁する病気で、早ければ40代くらいから罹患率が上昇します。

 厚生労働省の研究班の報告では、50代で37~54%、60代で66~83%、70代で84~97%、80代で100%といわれています。

 つまり、白内障は年を重ねれば避けて通れない病気です。興味深いのは、この病気は知られているように、男性より女性の方が早くかかりやすいことです。女性ホルモンが原因だといわれていますが、同じ女性でもなぜ、ばらつきがあるのかがはっきりしませんでした。

 そこで中国の研究グループが女性の出産回数と白内障の関係を調べたところ、出産回数が多いほど白内障の発症リスクが高いことがわかったそうです。英国の眼科の専門誌12月号に掲載された論文によると、対象となったのは45~86歳までの女性1万4337人。出産回数1回の女性と、2、3、4回以上の女性を比べると、白内障発症リスクはそれぞれ1.52倍、1.67倍、1.72倍と高まったそうです。つまり、出産回数が1回増えるごとにリスクが11%も上昇した計算です。

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