家計簿を見れば病気がわかる

国産牛か輸入牛か…所得格差は“食肉格差”をも招く

(C)日刊ゲンダイ

 これは、国産と輸入の差かもしれません。部位にもよりますが、スーパーなどの価格は、だいたいこのくらいの差になっています。つまり、野菜同様、高年収世帯は国産牛を食べ、低所得世帯は輸入牛を食べている可能性が高いのです。

 豚肉や鶏肉では、牛肉ほどの格差はありません。年収300万円世帯と1500万円世帯の金額差は、豚肉で約1.6倍、鶏肉で約1.4倍です。購入頻度は豚で57回対70回、鶏で36回対42回。牛肉と同様の計算をすると、豚肉の単価の差は1.3倍、鶏肉では1.2倍となります。この差はやはり、国産か輸入かで、ある程度説明できそうです。

■高所得者ほど高級ハムを食べている

 なお加工肉については、消費金額の格差が約1.5倍。とくにハムで3倍近い開きがあります。高所得世帯ほど、高級なハムを買っているのです。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。