家計簿を見れば病気がわかる

国産牛か輸入牛か…所得格差は“食肉格差”をも招く

(C)日刊ゲンダイ

 高所得世帯は、牛肉を中心に肉を食べる回数が多く、国産肉を食べる機会が多い。加工肉については、高所得者ほど高級ハムを食べている、といえます。

 肉は重要なタンパク源。低所得層は肉の消費が少ない分だけ、タンパク質の摂取量も不足気味かもしれません。タンパク質不足は、免疫力を弱めたり、子供の発育に悪い影響を与えたりします。しかも、安い肉ほど、脂身が多い傾向にあることも忘れてはいけません。このように、普段食べている肉からも、貧富の健康格差が垣間見られてしまいます。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。