前回まで、読者の皆さんからいただいた質問に答えてきましたが、またしばらくは、心臓病と治療にまつわるお話をしていきたいと思います。
今、日本の外科治療=手術は、今後の進歩に向けて大きな分岐点に立っています。患者さんにとって、場合によっては命に関わるような大きな問題なので、現状をしっかり知っておくべきだといえるでしょう。
これまで、外科治療は“その方法でなければ機能を取り戻せない、健康を回復できない”といった病状に対し、より早くより高度な技術を追い求め、より複雑な状況に対応できる方法を開拓する――という方向性で進歩してきました。
外科治療で心臓の働きが元に戻ったり、がんが制御できるようになって、患者さんが回復する。そして、回復することによってその外科治療のエビデンス(科学的根拠)が構築され、発展してきたのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」
低侵襲手術は本当に体にやさしいのか
必要ない患者に実施されるケースも