飲酒や喫煙が、発がんのリスクになることは、よくいわれています。それぞれが個別に語られることはありますが、この2つが一緒にまとめて論じられるケースはあまりありません。そこで、今回は、「飲酒+喫煙」とがんとの関係について紹介します。
■発病リスクが10倍にハネ上がる
結論から言うと、お酒もたばこもたしなむ人が最も発症しやすいのが、食道がんです。このタイプは、どちらもやらない人に比べて、発症リスクが10倍。前回、飲酒で顔が赤くなる人ほど、発がんリスクが増すと書きましたが、そういう人がたばこを吸い、なおかつ毎日、日本酒換算3合以上飲むと、食道がんの発がんリスクは30倍にハネ上がるのです。
飲酒だけなら、食道がんの発症リスクは、飲まない人に比べて、日本酒換算2合未満で2.6倍、2合以上で4.6倍。喫煙のリスクは、「1日に吸う箱数」と「喫煙年数」を掛けて算出しますが、20未満なら食道がんになるリスクは、吸わない人に比べて2.1倍、40以上で4.8倍。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁