Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【飲酒+喫煙】食道がんが芸能人に多いのはWパンチのせい

左から、やしきたかじん、淡路恵子、中村勘三郎も愛煙家だった(C)日刊ゲンダイ

 どちらも、発がんリスクであることは間違いありませんが、単独ならそれほどでもありません。喫煙と飲酒は、ダブルで続けることがよくないのです。喫煙も飲酒もという方は、いきなり両方をやめることは難しいでしょうが、まずはどちらか控えること。

■芸能人と食道がんの関係

 一昨年、食道がんで命を落としたやしきたかじんさん(享年64)には、何度もセカンドオピニオンで治療法についてアドバイスしましたが、頬がこけるほどの状態でもたばこを吸い、療養中もワイングラスを傾けていました。食道がんで亡くなった女優・淡路恵子さん(享年80)のひつぎには、ブランデーとたばこが納められたそうで、酒とたばこを愛していたことがうかがえます。

 母校・暁星学園の先輩・中村勘三郎さん(享年57)は4年前、立川談志さん(享年75)は5年前に食道がんで命を落としています。お2人とも、最期まで酒とたばこをたしなんでいました。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。