食道がんが芸能人に相次いでいるのは、「飲酒+喫煙」の生活習慣が多分に影響していると思われます。私は、30年近くがん治療に携わっていますが、食道がんの患者さんで、酒もたばこもやらない方は、ほとんどいません。それくらい、ダブルでの影響が強いのです。
このがんが厄介なのは、食道の外側を覆う膜がないため、早期に転移しやすいこと。勘三郎さんも、診断された時点で、リンパ節に転移がありました。そんな事情から、転移がんを叩くため、手術と並び、放射線と抗がん剤を併用する「化学放射線治療」も行われていますが、放射線単独に比べて副作用が強くなりやすい。
苦しい治療を免れるためにも、予防と早期発見が第一。「禁酒+禁煙」が無理なら、どちらかを控えることです。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁