もう怖くない! 尿の後の“チョイ漏れ”に2つの解消法

もう薄い色のズボンも怖くない
もう薄い色のズボンも怖くない(C)日刊ゲンダイ

 おしっこをした後の「チョイ漏れ」に悩んでいる人に朗報だ。すぐに解決できる方法がある。石井クリニック(埼玉・北浦和)の石井泰憲院長に聞いた。

 厄介だ。排尿後、ペニスをよく振ったのに、ペニスをパンツにしまった後、尿がジワリと漏れる。尿の染みが目立つのが怖くて、薄い色のズボンをはけない。手を洗った際に水滴をわざとズボンに飛ばし、尿の染みをごまかす――。覚えがある人は多いのではないか?

「排尿後の“チョイ漏れ”は『排尿後尿滴下』と呼ばれる症状です。30代から、男性の4人に1人にみられるといわれていて、年齢が高くなると増える傾向にあります」

 命にかかわる重大病ではないので研究はあまりされておらず、医者にかかっても具体的な解決策を提示されることは少ない。しかし、石井院長は排尿後尿滴下の相談をよく受けることから、すぐにできる解決策を考え出し、患者に勧めているという。それは、「会陰部指圧」と「陰茎引き上げ」の2つの方法だ。

 さっそく紹介しよう。まずは「会陰部指圧」から。ペニスの根本の“袋”と肛門の間にある会陰部を、人さし指と中指の腹で下からぐっと突き上げる。ズボンの上からでいいので、排尿後2~3回繰り返す。

 これで効果が不十分なら、次に「陰茎引き上げ」を試す。

 排尿後、ペニスの先を上に向けて体に引きつけ、亀頭を20秒間ほどキュッと押さえる。20秒間でうまくいかなければ、30秒~1分間押さえる。パンツの中にしまってズボンのチャックを閉め、ズボンの上から亀頭をしっかり持つのでもいい。「ペニスを上に向ける」と「亀頭を押さえる」の2つがセットになって効果を発揮するので、必ずどちらも行う。20秒~1分間押さえた後は、ペニスを通常通り下に向けてパンツの中にしまえばいい。

■原因は尿道周囲の筋力の低下にあった

 なぜ、この2つの方法が有効なのか。原因を知れば納得できる。

「排尿後尿滴下の原因を『尿の振り切り方が足りない』と思っている人が多いですが、そうではありません。尿道周囲の筋力が弱いことが原因です」

 尿をする時は尿道が広がり、排尿後は尿道周囲の筋肉が収縮して尿道がしぼむ。この筋肉の収縮によって、尿道に残っている尿が膀胱に押し戻される。

「ところが尿道周囲の筋力が弱いと、膀胱に戻るべき尿もそのまま尿道にとどまることになり、ペニスをパンツの中にしまってからタラーッと流れ出てしまうのです」

「会陰部指圧」は、ちょうど尿の戻りがうまくいかずにたまっている辺り(球部尿道)を刺激するので、尿が外へ出たり、膀胱へ戻りやすくなる。

「陰茎引き上げ」は、亀頭部の刺激で「球海綿体筋反射」を引き起こし、尿道周囲の筋肉の収縮を促進させる。さらに、ペニスをしばらく上に向けておくことで、その圧力で尿が膀胱に戻りやすくなる。

「これらに加え、根本的な対策として『骨盤底筋体操』を行って、尿道括約筋の強化と尿道周囲の筋力を鍛えれば、より効果的です」

 具体的には、①あおむけに寝て、軽く足を広げて膝を立てる②リラックスした状態で息を吸いながら、肛門を引き寄せるようにして肛門をギュッと締める③5秒締めたら息を吐きながら緩める――これを1回10~20分、1日のうちにちょこちょこ行う。うまくできるようになれば、両手を伸ばして床につけ、腰を持ち上げた状態で①~③を行う。

 もう、「チョイ漏れ」は怖くない。

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