ノロウイルスまだまだ増加中

石鹸などで洗い流すしかない（Ｃ）日刊ゲンダイ

　国立感染症研究所が「感染症発生動向調査」を８日に更新。第５１週（１２月１４～２０日）に全国の定点医療機関から報告があったノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者数は３万３７０９人で、３週連続で増加している。都道府県別の定点報告数は、大分県、愛媛県、東京都が上位３位で、東京では３９５７人が受診した。

　昨年は「新型ノロウイルス」が報告された。感染すると下痢や嘔吐を数日間繰り返し、高齢者や子供は重症化するケースも。１２月から１月が感染のピークといわれているから、まだ気を抜けない。

　ノロウイルスは抗生物質が効かず、有効なワクチンも開発されていない。予防が重要だ。

「アルコール消毒でも殺せないので、せっけんなどで洗い流すしかない。ただ、非常に小さく手の細かいシワの間などに入り込みやすいため、３０秒以上の手洗いが必要です。汚染されている可能性がある食べ物や食器は必ず加熱する。８５～９０度で９０秒以上加熱すればウイルスは死滅します」（都内の内科医）

　また、チーズなどの乳製品に含まれているラクトフェリンという成分には、ノロウイルスの付着や増殖を防ぐ効果が報告されている。

　体の外と中から、予防策を講じたい。