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【糖尿病の持続血糖モニター】東京慈恵会医科大学附属病院糖尿病・代謝・内分泌内科(東京都港区)

東京慈恵会医科大学附属病院の西村理明准教授(提供写真)
血糖値の24時間モニターで低血糖を発見

 糖尿病の治療では、一日のうちに、いつどのように血糖値が変動するかを把握することが重要である。特にインスリン治療(注射)をしている患者の場合には、血糖値が下がり過ぎると低血糖による意識障害などを引き起こす恐れがある。

 国内の糖尿病の最新治療を常にリードしてきた同科では、血糖値の24時間の変動を調べる「持続血糖モニター(CGM)」を用いて、個々の患者の血糖変動に合わせた“テーラーメードの治療”を行っている。

 同科の西村理明准教授(写真)は、保険適用(2010年)になる前からCGMを治療へ応用し、国内の普及に努めている第一人者。CGMの特徴をこう説明する。

「いま一般的に広く用いられている血糖自己測定は一日の測定回数に限度があり、その情報は点でしかありません。CGMは、自己測定のできない睡眠中や明け方、多忙な仕事中などの状態まで把握できるので、血糖変動の一日の流れをグラフとして見ることができるのです」

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