しかし、心臓の場合はこれに当てはまりません。心臓はメスを入れると、どうしても術後にいったん機能が落ちてしまい、他の合併症を招くリスクがアップしてしまいます。低侵襲だからといって、まだ必要ない段階で手術を行うと、寿命を縮めてしまうケースもありうるのです。トータルで見れば、低侵襲どころか患者さんのリスクがアップしてしまうといえます。
そうした“本来なら不必要な手術”から身を守るためには、患者さんの側が正しい知識を学んで賢くならなければなりません。
まず知っておいて欲しいのは、心臓の疾患は早い段階で手術しなければならないケースが少ないということです。多少のトラブルがあったとしても、薬物で病状をコントロールするだけで、手術しなくても大きな問題が起こらないまま天寿を全うできる人はたくさんいます。
■「低侵襲」のデメリットもしっかり把握
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」