家計簿を見れば病気がわかる

金持ちも貧乏人も酒量による健康格差はない!?

(C)日刊ゲンダイ

 酒は百薬の長。しかし、飲み過ぎは肝障害や糖尿病など、生活習慣病のもと。所得と酒類の関係はどうなっているのでしょうか。

 まず消費合計額。年収300万円世帯では3万4000円。収入とともに金額も増え、1500万円超の世帯では5万9000円となっています。格差は1.7倍です。

 清酒と焼酎については、年収による格差がほとんど見られません。実は購入頻度もほとんど同じで、どちらもすべての所得層で年間4~5本にとどまっています。清酒と焼酎は、家飲みではあまり人気がなさそうです。

 この本数で消費金額を割ると、日本酒なら1本1000~1200円、焼酎なら1200~1500円の価格帯のものが消費されていることになります。ただし、1本の大きさまでは分かりません。一般的な720ミリリットル瓶も、1リットル入りの紙パックも、だいたいこの価格帯に収まるからです。

■ビール消費は所得に比例

 家飲みの主役は、ビールと発泡酒です。

 ビールの消費は、所得に比例しています。酒類量販店などで売られている缶ビール(500ミリリットル)6本パックの値段は、1400~1500円。この数字で計算すると、年収300万円世帯は年間40本以下、年収1500万円世帯は80本前後を消費していることになります。

 発泡酒は、中間所得層の消費が多く、低所得層と高所得層は少なめです。発泡酒の販売価格は、500ミリリットル缶6本パックで1100円前後。したがって中間所得層では年間60本前後が消費されていますが、低所得層と高所得層では40本前後にとどまっています。

 いちばん大きな格差はワインで見られます。購入頻度では、年収300万円世帯が年間2回、年収1500万円世帯が5回となっていますが、金額的には4倍の差があります。つまり、高所得層ほど高いワインを飲んでいることになります。

 ただ、ワインの年間消費量の差がこの程度なら、健康に大きな影響を与えることはなさそうです。以上をまとめると、高所得者ほど高い酒を飲んでいる傾向が見られるものの(焼酎1本当たりのサイズにもよりますが)、飲んでいるアルコール量には大きな差はありません。家飲み分で比較する限り、酒類による健康格差はなさそうです。