Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【糖尿病の人】肝臓、大腸、すい臓、胃に腫瘍ができやすい

斉藤仁(左)と立川談志(C)日刊ゲンダイ

 もうひとつは、がんセンターの研究から分かるように、なるべく高血糖状態をすぐ改善する生活習慣を身につけること。たとえば、食事のときは野菜から食べて米や麺類などの糖質を最後にする。そうすると、野菜に含まれる食物繊維の働きで、糖質の吸収が穏やかになり、血糖値が上がりにくい。食後に30分くらい散歩するのも、食後高血糖の改善に役立ちます。

 逸見さんは学生時代、無類のコーラ好きで、下宿の窓にコーラの空き瓶を並べることに愛着を感じていたそうです。清涼飲料水や砂糖入りコーヒーをたくさん飲むのは、よくありません。

 がんも合併症も防ぐために、糖尿病の人は高血糖状態をなるべく早く改善してください。ここまで読まれた人は、そのためのノウハウが頭に入ったはずです。きょうから実行しましょう。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。