サラリーマンのパワーup 食で不調を撃退する

脳腫瘍だと思ったら…

生アーモンド(C)日刊ゲンダイ

 昨年末、クライアントのお母さんの体調が急に悪くなりました。手足を思うように動かせなくなったのです。

 救急で搬送された病院での画像検査では原因が分からず、再度3日後に違う病院へ運ばれると、脳腫瘍との診断。すぐ手術となったのですが、見つかったのは脳腫瘍ではなく“膿だまり”。そして膿の原因は、なんと口腔内の常在菌「ストレプトコッカス菌」でした。

 本来なら、口腔内に存在する菌ですが、歯周病が進んだことで歯周ポケット(歯と歯茎の境目の深い溝)が8ミリと深くなり、口腔内の粘膜から血管に菌が侵入したのではないかと考えられました。お母さんの容体は、抜歯と抗生物質の治療で落ち着きました。

 歯周病は口腔内だけでなく、全身へ害を及ぼします。糖尿病、循環器疾患や脳血管疾患、高齢者の肺炎などです。だから、自覚症状に乏しくても、しっかり対策を講じることが重要。歯磨きなどの口腔ケア、定期的な歯科医でのチェックなどが基本になりますが、私はさらに「噛むメニューを増やす」こともアドバイスしています。

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佐藤智春

佐藤智春

スタイリストとして活躍していた32歳の時、働き過ぎで体調を崩しダウン。「分子整合栄養医学」に出会い、人体と栄養の関係を学び、実践を重ねながら健康を取し、血液栄養診断士の資格を取得。現在はクライアントの血液データから栄養を厳密に把握し、食と医療、ライフスタイルを具体的に提案。著書に「卵を食べれば全部よくなる」「男は食事で出世させなさい」「身長を伸ばす7つの法則」など。