病院は本日も大騒ぎ

娘にバレるのが怖い!? 70代入院患者の意外なお金の使い道

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 こんにちは。首都圏の総合病院で、看護師長を務めている看護師歴十数年のサトミです。

 入院手続きをするとき、患者さんと病院側で規約書(あるいは入院契約書)を交わします。

 その1項目に病院側は、「盗難防止のため、貴重品や高額の現金持ち込みをやめてください」と明記しています。

 病室には、入院患者さんごとに、引き出しが付いた鍵のかかる小さな机を備えています。

 風呂に入るとか、ロビーに出るとき、腕時計や自動車運転免許証、またサイフなど貴重品類を保管してもらうためです。

 それに鍵をかけ、バンドが付いた鍵は腕時計のように手首に巻いて携帯します。

 ただ、患者さんによってはうっかりして、鍵を鍵穴に差し込んだまま病室を出るとか、鍵をかけても、大事な鍵をベッドの上に置き去りにするケースも少なくありません。

 それで、まれに盗難事件が起こります。まず犯人として疑われるのは同室の患者さん、その見舞客、見舞客を装ったコソ泥、それに部屋を自由に出入りできる看護師です。

 盗まれた患者さんや、疑いの目で見られる人たちも気分が悪いし、しかも、盗まれた現金類はまず戻ることはありません。

 そのため、病室に現金類を持ち込まないことが鉄則ですが、こんな例がありました。

 70代で肝臓が悪く毎年、2回ぐらい入院してくるAさんは、財布に必ず20万円の現金を入れて入院してきます。

 せいぜい病院の売店で新聞や雑誌を購入する程度で、多額の現金は必要ありません、退院時の入院費支払いにしても、娘さんが全額支払っておりました。

 一体、何に使っているのか不思議に思っていました。しかし先日、ようやくその答えがわかりました。娘に知られたら怒られるのでしょうね、見舞いに来た甥っ子や姪っ子にそっと渡しておりました。

 看護師は知っておりましたが、娘さんが気の毒で、事実を伝えることができません。