独白 愉快な“病人”たち

東貴博さん(46)アナフィラキシーショック

東貴博さん
東貴博さん(C)日刊ゲンダイ
桃の缶詰を食べただけで喉が腫れ、気道が狭まり顔が変化した

 昔からおいしいものが大好きで、独身の時から自炊したり、果物を買ってきて食べていました。中でも桃は好物で、シーズンになるとよく食べていたんです。それが6年前、家で桃を食べたら顔が赤くなり、喉の中がイガイガ、体に違和感が出ました。

 それがきっかけで桃を積極的に食べようとは思わなくなったのですが、その翌年、ランチセットの添え物で、フルーツのせのヨーグルトがついてきたので1口だけ食べたところ、3~4時間後に顔が赤く腫れ始めた。喉が腫れ、気道が狭まり息苦しくなったんです。

 ドラマの撮影現場へ行こうと車を運転していると、顔はますます腫れあがり、まぶたも腫れて視界は狭まるし、唇もタラコのように腫れあがってきました。運転席からミラーを見るたびに顔がみるみる変わっていくし、喉も息苦しい……。体に痛みはないけれど、ひとりで現場に行くまでの間に死ぬんじゃないかと怖くなりました。

 現場に着くなり、周囲には驚かれ、せっかくのドラマの仕事だったのにすべて遠めでしか撮ってもらえず、残念なことになりました。

 病院で調べたら、桃による「アナフィラキシーショック」と診断されました。

 後にランチを食べた店で聞いてみると、入っていたフルーツは桃。フレッシュな桃でもなく、桃の缶詰をほんの少し口にしただけ。なのに、ある日突然ひどい症状が出たんです。1週間ほどの投薬で治まったのですが、「たかがあれだけなのに」と本当に驚きました。

 アレルギー検査は既に発症しているものとそうでないものがあり、苦手なものが大きく反応するわけではなく、あくまで指針でしかないということも初めて知りました。

■「バラ科の果物」には体が反応

 以来、桃を食べたいと思わないのは当然ですが、ビワ、イチゴ、リンゴを見ても食べたくなくなった。昔は、ビワなんて大好きだったのに……。聞くとすべてバラ科の果物でした。無意識でも体が勝手に判断するんですから、人間の体って面白いですね。今はほとんどのお店で「何かアレルギーはありますか?」って聞いてくれますから、問題はあまりないですね。

 子供の頃から病気で休んだことはなく、すこぶる健康。たばこは30歳すぎにやめました。僕が18歳の時、親父(東八郎)を52歳で亡くしているので、気になりだしたんです。みんな「やっぱりたばこはやめられない」って言いたいだけなんですよ。「たばこやめると太るんですよね」って言われるのが嫌で毎日走り、たばこをやめてから10キロ痩せました。

 安(妻の安めぐみさん)と付き合い始めて「長生きしたい」と思うようになり、40代からはもっと健康に気遣いするようになりました。人間ドックは年に1回。週3回は6~8キロ走っています。ウマいもの好き、酒好き、店をハシゴするタイプなのでそこは譲れない。だから、酒を飲むために走ります。飲みに行く前に走っていたりするので、安は「よくやるね~」って言いますが、何もしないよりはいいですからね。

 食事はまずサラダを食べて、酒を飲みながら水をいっぱい飲む。水割りでもチェイサーは欠かしません。「安あがりでいいね」なんて言われますけどね。普段は水とお茶。コーヒーやジュース類はあまり飲みません。

 体脂肪は、風邪をひかない程度に13%をキープ。体重計で表示される体年齢は30歳代です。妻は12歳年下ですから、常に彼女と釣り合うように努めています。0歳の娘が幼稚園に入る頃、運動会で一番に走れるように、これからも頑張りたいと思っています。

▽あずま・たかひろ 1969年、東京都生まれ。1994年に深沢邦之とお笑いコンビTake2を結成。父は東八郎、2011年にタレントの安めぐみと結婚。2月7日に自身の主宰する劇団の「FIRE HIP'sトークライブ」を渋谷のシアターDで開催(チケットぴあ等で発売中)。